ご存じですか?仁王さまのおっぱいガード
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こんにちは。
奈良仏師の折上です。
いきなり卑猥なタイトルではじまり申し訳ございません・・・
先日、おかげさまで多くの方にご来場いただき、展覧会を無事におえることができました。
コロナ禍のなか、こうしてたくさんの方にご覧いただけたことは、頑張って制作してきた生徒のみなさまの大きな励みとなりました。
さて、タイトルの件ですが。
今回、私は今制作中の仁王像のミニチュア版(といっても70センチくらいはあるのですが)を出品させていただきました。
これをご覧いただいた方から「仁王さまのおっぱいは菊の文様なんですね」と、ご指摘をいただきました。
私は何度も仁王像を作らせていただいているので、当たり前のように思っていたのですが、たしかに近くで仁王像を見る機会は少なく、なかなか気づきにくいものかもしれませんね。
こちらがその仁王さまのおっぱいです。
菊ではなく花の文様です。なぜ仁王様の乳首は花なのか?
お恥ずかしながら、文献を調べたわけではないので正確なお答えはできないのですが、これは乳首ではなく甲冑を着るため乳首を保護する「おっぱいガード」(註:命名折上)ではないかと思っています。
ただ、間違いなく言えるのは、多くの仏像のなかでも乳首をこうして作るのは仁王像だけです。
お寺にに行かれた際には、ぜひ山門にある仁王像の「おっぱいガード」を意識してみてください。
こうした、新しい気づきができるのも、身近に仏像をみれる展覧会の楽しみの一つではないでしょうか。
当日の展覧会の様子などはTwitterにあげておりますので、よろしければご覧くださいませ。