奈良 仏像教室 仏像彫刻折上

奈良仏師 折上稔史の日記。作品紹介、教室案内、展覧会の案内等

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archive: 2015年06月  1/1

漆の話

十一面観音の修復をしています。全面的に修復するので古い彩色を全て剥がしました。胡粉(ごふん)のぶ厚い下地の中は、虫食いでスポンジ状になっていました。こんな時に活躍するのが木屎漆(こくそうるし)です。恐らく日本で一番古くから使用されており、尚且つ最強の接着剤だとおもいます。材料は小麦粉、漆、麻、水、木の粉。漆の技術は奈良漆器の樽井さんのところに半年ほど通って習得しました。最初の頃はかぶれたり、漆と小麦粉...

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