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漆の話

2015年06月15日


十一面観音の修復をしています。
全面的に修復するので古い彩色を全て剥がしました。
胡粉(ごふん)のぶ厚い下地の中は、虫食いでスポンジ状になっていました。
こんな時に活躍するのが木屎漆(こくそうるし)です。
恐らく日本で一番古くから使用されており、尚且つ最強の接着剤だとおもいます。
材料は小麦粉、漆、麻、水、木の粉。
漆の技術は奈良漆器の樽井さんのところに半年ほど通って習得しました。
最初の頃はかぶれたり、漆と小麦粉の量、水の量のバランスがわからなかったりと大変でしたが、最近はだいたいうまく乾燥するようになってきました。
それでもその時の湿度や気温に大きく左右されるので難しいです。
漆は湿度が高いほど乾燥しやすいという特異な性質を持っています。
梅雨のこの時期は漆の作業にはうってつけの時期ともいえます。
今は色々な樹脂系の塗料が開発されており、文化財の修復にもよく使われていますが、300年は保証できる実績が漆にはあるので、私は殆ど漆を使用しています。
漆の採取は非常に時間と手間がかかり、コストも割高ですが仏像の修復には安心して使えるます。
早く美しい元の姿に戻せるよう頑張ります(´◡͐`)
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